
文化庁 - 2018

※本作品は採用ロゴではありません
2018年、文化庁は以下を基本方針として、ロゴ刷新の公募を行いました。
○ 新・文化庁,文化庁の新生を表現するデザインであること。
○ 文化芸術推進基本計画(第1期)に掲げられた「文化芸術の『多様な価値』を活かして未来をつくる」とのメッセージが込められたデザインであること。

前提条件
本件は公募案件のため、通常の制作アプローチと異なりヒアリングができません。事前ルールとして、事前に配置レイアウトや、長官の揮毫(きごう)を使用することが定められています。

Step 1 - コンセプトの言語化
コンセプトの言語化 募集に至ることになった経緯が記された「文化芸術基本計画」や文化庁組織図をテキストにまとめます。

(基本方針の決定)
文化庁の定義した言葉に重複・矛盾が生じたため、何度も原文にあたって重要なキーワードを浮かび上がらせます。結果、以下をポイントとしていくこととしました。
・キーワード:成長、継承、多様性、共感
・文化庁と識別できる成り立ちであること
・3つの価値(本質、社会、経済)を守る
・4つの目標(教育、創造、多様性、地域)を達成
・新文化庁の誕生を感じるもの

Step 2 - 競合・ポジショニング調査
官公庁には、ビジネスでは通例である業界図が公開されていません。官公庁全体を俯瞰するためにマップを作成し、日本の行政組織の体質やデザインに対する感性を探ります。この時点で配色の決定はしませんが、あたりをつける目的であれば十分参考となります。

Step 3 - スケッチ
言語化したコンセプトとの整合性を十分に加味しつつ、スケッチを行います。文化庁を統べるロゴマークを制作するため、特定の偶像化されたモチーフをデザインすることは避けます。

Step 4 - カラーの決定
様々なカラーリングを検証し、以下と定義しました。特に、あらかじめ指定されていた文化庁の揮毫と調和するよう、伝統色を採用しています。
萌木色: 新しく萌出でる色。新文化庁の誕生を示す。
紺桔梗: 萌木色から、文化技術立国へと成熟した未来を示す。


