yasuhisada - FB share.png

Blog

企業ロゴのデザインイベント「ボツになった企業ロゴの話」を開催しました

logo-event-font60%15%15%15%-7.png

去る2019年10月5日(土)に企業ロゴに関するイベント「ボツになった企業ロゴの話~秋夜にワイン・チーズで語る交流会~」を開催しました。

すべての人が毎日無意識で触れている企業ロゴですが、

  • 企業ロゴはどのようにしてつくられているのか

  • 企業ロゴが生まれるまでにどんなボツデザインがあるのか

  • これからのクリエイティブな活動に参考になるものはあるか

上記のように、実はあまり知られていない企業ロゴの世界をシェアしたイベントとなります。

6月、仁科さんと集結した恵比寿ドトール

6月、仁科さんと集結した恵比寿ドトール

■ 「なにか面白い企業ロゴイベントやりましょうよ!」
きっかけは2月に企業サウンドロゴデザイナーの仁科亜弓さん(@ayumi_nishina)にとある交流会で出会ったことから始まります。

仁科さんは「DMM.com」「大江戸温泉物語」のCMに使用される音源を手掛ける企業サウンドロゴデザイナーです。色々な業種が入り乱れた交流会だったため、企業ロゴという二ッチな共通点で盛り上がり。

その数ヶ月はなんやかんやで忙殺されて連絡を取っていない期間がありましたが(交流会あるある)、6月に恵比寿のドトールでお茶をしながら、正式にイベント計画を始動させることになりました。

2.企画案ができるまで

ということで、仁科さんと共同主催することになったロゴイベント。開催にむけて、4つの準備を4ヶ月かけて進めていくことになりました。

6月に残した強引な議事録

6月に残した強引な議事録

■僕たちは何をしたいんだろう? ~目的、誰を招待するか~

まず、1つ互いに合致していたことは「小さく始める」ということでした。

もし手当たり次第に友人を招待したのであれば、そこそこの人が集まり、無難な感じでイベントを終えられるでしょう。

しかし、このイベントは一時的なもので終わってほしくありません。

デザインの仕事をしている人のほとんどが、知らない場所で小さく試行錯誤しながら成果物を制作しています。

小さく始めてもデザインの仕事をする人たちに貢献できることを考えるのであれば、それは「デザイナー同士は知見の共有」ではないでしょうか?そして、もし何回か開催することができれば、これからデザインの仕事がしたい人にとっても有益なコミュニティとなり、日本のデザインに1歩でも半歩でも寄与することができるかもしれません。

ということで、僕たちは以下のように第1回イベントにおける目的と対象者を設定しました。

第1回イベントの目的:
・制作過程やボツ案を通じデザインを好きになってもらいたい
・デザインに携わる仲間同士が本音で情報交換をしてほしい

第1回の対象者
・デザインを信じている方
タイポグラフィや作曲家などに限らず、広告やものづくり、プログラマーなど、クリエイティブな生産が求められる業界の方および業界にいた方


3.コンテンツ準備や集客をしよう

(1)コンテンツ準備:参加者との共通点を考える

「ボツになったロゴの話」は、共同主催のイベントなので、それぞれがコンテンツを用意します。

仁科さんは大企業と多く仕事をされており、今までもサウンドロゴに関するイベントを何度か開いた経験がある猛者ですので、準備の様子は割愛します。準備にむけたお話を進めていく中でも終始柔和な印象だったので、「今までのイベントも、今回のイベントも、見に来たお客さんは満足だろう」と確信することができました。

一方、僕の方はというと、初めてのロゴイベントのため暗中模索です。
まず、僕の実績にはアップルやナイキなど、誰もが知っている一般層に露出した企業のロゴありませ。そのため、そうした側面からの共通点を見出すことができません。

そんな中、いろいろ思案思案していると、どうやら僕の「今まで見てきた大量の企業ロゴについて、それを体系化し、ロゴ制作に役立てている」という話は、誰しもやっていることではないということが分かりました。

これを起点に考えていけば、きっと参考にしてもらえるでしょう。



(2)集客面:基本アクションを忠実に、当日までマメにフォロー

今回はしばしばお世話になっている神田の飲食店を貸切りして行いました。

集客に向けて起こしたアクションは以下です。

  • Facebook:イベントページを作成

    • 個人的に来て欲しい人にメッセージ

  • Peatixイベントページを作成

  • CONNPASSイベントページを作成

1ヶ月前からアクションを起こしましたが、やはり始めは低調です。無理強いをしても絶対に来てくれないので、保留した方へのリマインダは控えましょう。2週間前くらいになるとPeatixなどのイベントページはカレンダー情報に露出してきて、実際に2名の方が来てくれました。

イベント告知用画像アップデートの変遷

イベント告知用画像アップデートの変遷


あと、何気に大事なのがドタキャン防止のための施策。
勢いで参加表明したものの、何のお知らせもなければ直前にダルくなって優先順位が下がってしまうのが人の性。

このドタキャン問題に対して、僕らは参加表明してくれた方にこんなメッセージを送ることにしました。

自己紹介文を主催者におくってください!
 ・会社名、業種、役職
 ・特にご自身の得意な分野
 ・プライベートの趣味
 ・イベントに向けてひとこと

送ってくれた人の声を主催者側で巻き取ってFacebookイベントページのタイムラインに投稿(参加者自身で投稿させるのは恥ずかしいor面倒くさいのでやってくれません)。

こうすることで、参加者は「この人にこんなことを聞いてみたいな」と事前に考えることができるので、キャンセル防止はもちろんのこと、当日輪に入るモチベーションアップにもつながります。

4.本番~当日の様子~

(クリックで次の写真を見ることが出来ます)

そして、本番の10/5(土)を迎えました。

色々手を打ちましたが、正直「本当に来てくれるのだろうか…参加者同士の話は進むのだろうか…」と、当日は自分たちのコントロールできない領域で不安がつきまといます。

ですがそんな不安は消し飛びました。
お店の方の「ディナー形式の場合、お客さんはスピーカーが話している最中は絶対に食事に手をつけてくれない。温かくおいしい状態で提供したいのであれば、話が終ってからにすべき」という頼もしいアドバイスにも助けられ、無事和やかにイベントを終えることができました。

共同主催の仁科さんからは、

  • 『ディーエムエームドットコム♪』という音源がなぜできたのか?

  • 大江戸温泉物語のサウンドロゴを完成させるための新しいアプローチ

    の2つを中心に。このイベントでない限り未公開音源や当時の会議の裏側を聴くことは一生なかったので、本当に貴重な時間でした。

一方、僕からはこんなスライドを使用しました(一部)。

blog06.PNG

前夜に急遽ブラッシュアップした箇所もありましたが、主に

  • ナイキやスタバなど、普段目にするロゴの分類の仕方と、未来のロゴを予想する

  • ロゴ制作は、どんなオーダーがきてどんな打ち合わせをして組み立てるのか

  • よりよい仕事をするために、今まで経験したクライアントさんとの失敗事例

をお話しました。

5.次回に向けた活動

参加者からは、

  • とても面白い企画で刺激的だった!

  • 色々な話が聞けて勉強にたった

  • 飛び込みだったのにあたたかく迎えてくれた

  • モチベーションが上がった!

という声をいただけたので、第1回の目的としていた「制作過程やボツ案を通じデザインを好きになってもらいたい」「デザインに携わる仲間同士が本音で情報交換をしてほしい」という点は概ね達成できたのではないかと思いました。

そして、イベントの最後ではこんな提案もさせてもらいました。

(1)第2回の「自分のデザインの制作過程」のスピーカーになりませんか?

blog07.PNG

今回は共同主催の2人から「ロゴの制作過程」「サウンドロゴの制作過程」を発表させてもらいましたが、クリエイターやデザイナーはそれぞれのストーリーを持っているはず。企業のチームとして進めている方でも、他の人にとってはその進め方は大変興味をそそる話です。デザインだけでなく、商品開発やアプリ開発でもその制作過程を募集させていただきました。

※この記事を見て興味をもった方はお問い合わせページから連絡をお願いします

(2)「企業ロゴ大賞」を企画したい

blog08.PNG

ふだん、大きな企業のロゴが変更され話題となるのは珍しくありません(今年だとSlackなど)。

しかしデザインのすばらしさに本来企業規模は関係ないはずです。
そこで、「その年に生まれたロゴ(企業ロゴ、サウンドロゴ)を募集・審査して、1番よかったロゴを決めませんか?」という企画提案もおこないました。

こちらはM1グランプリのような対決方式ではなく、このマンガがすごい!のように、好きな人がオンラインでつながり選んでいく方式を予定しています。中小企業を盛り上げていくためのアワードなので、大きく発展余地があるでしょう。

※この記事を見て興味をもった方はお問い合わせページから連絡をお願いします



YASU HISADAロゴ, イベント, ON